「あなたの心と体は大切。」
私は、このメッセージを子どもたちへ伝えることこそ、性教育の原点だと考えています。
日本では、性教育に対してさまざまな議論があり、学校現場では十分に取り組むことが難しい時期もありました。
その影響もあり、多くの保護者世代は、学校や家庭で性教育を十分に受ける機会がありませんでした。
そのため、「子どもに何を伝えたらいいのかわからない」「いつから始めればいいのかわからない」と戸惑うのは、とても自然なことです。
しかし、今の子どもたちはインターネットやSNSを通じて、さまざまな情報に簡単に触れられる時代を生きています。
昔から言われてきた「寝た子を起こすな」という考え方は、今の時代にも当てはまるでしょうか。
私は、子どもたちはすでに多くの情報に触れており、「起きている」状態なのだと思っています。
だからこそ、大人が見て見ぬふりをするのではなく、正しい知識を伝え、安心して相談できる環境をつくることが大切です。
包括的セクシュアリティ教育は、「性行為」を教える教育ではありません。
自分の体を大切にすること、人を尊重すること、同意(Consent)、人権、多様性、健康、そして困ったときに助けを求める力など、人生を安心して歩んでいくために必要な知識と力を育む教育です。
年齢や発達段階に応じた包括的性教育は、子どもたちを性に奔放にするものではなく、自分や相手を大切にし、より慎重で責任ある行動につながることが期待されています。
また、日本の若者は国際比較調査において自己肯定感が低い傾向が報告されています。その背景にはさまざまな要因がありますが、「性」を恥ずかしいこと、話してはいけないことと捉える文化も、その一つとして指摘されています。
だからこそ、家庭や学校で「あなたの心と体は大切だよ」と伝え続けることが、子どもたちの自己肯定感や、自分を守る力を育むことにつながるのではないでしょうか。
性教育を始めるのに「早すぎる」ということはありません。
おむつを替えるとき、お風呂に入るとき、からだの名前を正しく伝えること、プライベートゾーンを大切にすることを教えることも、性教育の第一歩です。
幼児期から思春期まで、子どもの成長に合わせて少しずつ学びを積み重ねていくことが、自分も相手も大切にできる力を育みます。

まずは私たち大人が学び、正しい知識を身につけること。
それが、子どもたちの未来を守る第一歩になると、私は信じています。

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